電気を使わず、水で冷やす。COOLPIAが「サイフォンクールベスト」で示した、気化熱冷却の可能性。
夏の暑さは、もはや「我慢するもの」ではなく「設計して対策するもの」になりつつあります。2025年には職場における熱中症対策が事業者の義務として強化され、屋外作業や工場、物流などの現場では、具体的な対策が問われています。
そこで今あらためて注目したいのが「気化熱冷却」という考え方です。
■ 冷却に求められる条件の変化
これまでの暑さ対策は、保冷剤やファンなど「電気や冷媒で冷やす」方法が中心でした。しかし現場では、バッテリーの充電管理が負担になる、保冷剤はすぐにぬるくなる、冷たすぎて逆に疲れる、といった声も少なくありません。
「長く、安全に、快適に使い続けられること」。冷却技術に求められる条件は変わってきています。

■ 水が流れる布「COOLPIA」と、サイフォンクールベスト
三機コンシスの「COOLPIA(クールピア)」は、網目状の中空糸膜を布に組み込み、内部の水を少しずつ染み出させて気化させる冷却機能繊維です。水が蒸発するときに熱を奪う「気化熱」で、体を自然に冷やします。
このCOOLPIAを核に、hap株式会社、株式会社空調服と共同開発したのが「サイフォンクールベスト」です。胸元のボトルに水を入れると、高低差を利用した「サイフォンの原理」で水が自然にベスト内へ送られるため、冷却部にポンプもバッテリーも必要ありません。メッシュの二重構造により、肌に濡れた感触が伝わりにくい設計です。
本製品は「東京都暑さ対策グッズコンテスト」体温冷却・調節部門でグランプリを受賞しました。

■ 「電気を使わない冷却」が生むヒント
1.充電管理から解放される必要なのは水だけ。大人数が働く現場でも管理の手間を減らせます。
2.形を選ばない冷却部が布のため、ヘルメットのインナーや帽子、シートカバーなど、さまざまな形に展開できます。
3.体にやさしい冷却冷やしすぎず、汗で体温を下げる人本来の仕組みに寄り添った冷却を目指しています。
建設・工場・物流・農業などの現場作業はもちろん、ユニフォームやスポーツ用品の開発にも活用が考えられます。

■ 連携が技術を製品に変える
サイフォンクールベストは、当社代表 松本正秀が会長を務める「t-テキスタイル製品化研究会」をきっかけに、東京都立産業技術研究センターの支援も受けて製品化されました。三機コンシスは、素材の提供にとどまらず、パートナー企業とともに製品として形にするところまで伴走しています。
■ COOLPIAの活用をご検討の方へ
「自社製品に冷却機能を加えたい」「こんな使い方はできないか」といったアイデア段階のご相談も歓迎しています。サンプルや共同開発について、お気軽にお問い合わせください。
関連リンク・都産技研 TIRI NEWS「気化熱で身体を健康的に冷やす『サイフォンクールベスト』」https://www.iri-tokyo.jp/tiri-news/shien-2026-10-03/
※「空調服」「サイフォンクールベスト」「生理クーラー」は、株式会社空調服の登録商標です。


